「ママ、ちょっと来て!」
どこからか子供の声が聞こえてきた。
ここはスーパーの店頭。
子供の声はどうやら文具売り場の方から聞こえる。
そう、おねだりである。
買って欲しい物の所へお母さんを誘導するための「ママ、ちょっと来て!」である。
ちょっと来て。なのだ笑
ずっと。ではない。
ここに非常に深い気づきを得た。
我々は商品、サービスを売りたいがあまり、そのすべてを伝えようとしてしまう。
つまりこういうことだ。
「これはこれで、こういうもので、良いものだから買ってください」
と。
POPを書いている身からしたら思うことがひとつある。
それは、
みんなPOPにすべてを書いてしまう人が多い。
という事だ。
これは言ってみれば、
「ママ、ぼくポケモンの鉛筆がほしいから売っている所まで来て!」
に近い。
どういう事かと言うと最終的なゴールまで明示してしまっている。
お母さんがポケモンまで聞いてしまったら、「買わされる」と察知する。
つまりそこまで行かない。
しかし「ちょっと来て!」にはゴールが明示されていない。
何を求めているか分からない。
いつもそういうケースがあるお母さんなら、またかと思ってついていかない事もあるだろう。ただ行ってみないと分からない。
「ママ、見て、この筆箱、この前テレビで見たやつだよね!」で終わるかもしれない。
ここで整理しよう。
「ママ、ぼくポケモンの鉛筆がほしいから売っている所まで来て!」
は、完全なゴールまで明示した「売り込み」だ。
「ママ、ちょっと来て!」
は、ゴールは明示されていない。「ちょっと」の先が分からない。
前者は行動、つまり売り場へ行くまでに動かずに判断できる。
後者はそこ(売り場)へ行ってみなければ判断できない。
何が言いたいかというと、売り上げを作るのは間違いなくお客さんの「行動」
である。
前者は行動を作れない可能性が多い。(売り込みと判断される)
後者は行動を作る可能性が高い。
つまり売り上げをつくるための「入口」まで行動をつくることができる。
もちろん、入口を作れなければ、最終ゴールの「売り上げ」にまで到達できない。
たくさんのPOPを見てきて思うのは、みんなダイレクトに「売り上げ」まで引き込もうとしすぎる点だ。
これでは売れるものも売れなくなる。
と僕は考えている。
売り上げを作るのは、まずは「注目」「興味」からなのだ。
ここを忘れてはならない。
「注目」「興味」がすべての売り上げの起点なのだ。
例えば映画の予告編でストーリーをすべて語ってしまったら、あなたはその映画を観に行こうとするだろうか?答えは考える必要もないだろう。
会って2秒で「結婚してください!」と言われたら困るだろう。
だから「ママ、ちょっと来て!」に学ばなくてはならない。
そのためのPOPづくりのポイントは次回書くことにする。
URAPYON